IT専門の市場調査会社、米IDCと米ガートナーが10日、それぞれパソコン市場の調査結果を公表したが、これについて米ヒューレット・パッカード(HP)が同日異例の声明を出して「IDCの調査は広範なデータを対象にしており、より正確だ」などとコメントとした。

HP、ついに2位に後退か

レノボ、2500人削減へ 景気失速でパソコン需要減る

IDCの調査では、レノボが首位に躍り出た〔AFPBB News

 IDCによると、今年7~9月期における世界パソコン出荷台数は、HPが1395万台で首位を維持し、これに中国レノボ・グループ(聯想集団)が1382万台で続いた。

 これに対しガートナーの調査ではレノボが1377万台でトップとなり、HPは1355万台で2位。

 ガートナーによると、レノボが世界のパソコン出荷台数で首位になるのはこれが初めて。一方のHPは2006年の7~9月期からこれまで首位を維持してきたが、それ以来初めて2位に転落した。

 HPは声明で「IDCの調査はワークステーション(業務用高性能パソコン)が含まれており、より包括的。IDCのリポートではHPは業界ナンバーワン」としており、同社が首位の座を明け渡したなどというガートナーのリポートは受け入れ難い様子だ。

 しかし、そんなIDCのリポートでさえHPが安閑としていられない状況にあることを示している。例えばHPの出荷台数は1年前に比べ16.4%減少しているが、レノボは10.2%増加した。

HPの落ち込み、上位5社で最も激しく

 パソコンメーカーの上位5社では、米デルと台湾エイサー・グループも前年同期比減となったが、その中でHPの落ち込みが最も激しく、市場全体の減少率(8.6%)を上回っている。

 また7~9月期におけるレノボの市場シェアは15.7%で、HPの15.9%とは微々たる差。ガートナーの調査でもそれぞれ、15.7%、15.5%となっており今や両社は互角と言えそうだ。