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フェイスブックの新施策:収益化への光明か暗雲か

ソーシャル化する社会が世界を大きく変え始めた(18)

2012.10.11(木) 小川 和也
    http://goo.gl/hwu0O
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 フェイスブックの収益化が予想よりも遅いことに対する批判は、いわば最近のトレンドだ。相当に高いPER(株価収益率)で株式公開をした企業の宿命といえばそれまでだが、その未来まで疑念で覆い尽くすような論調も目立ってきている。

個人データの活用拡大を打ち出したフェイスブックだが・・・

 10月2日(米国時間)、フェイスブック取締役のマーク・アンドリーセンはそれを間違った見方であると切り返した。

 IAB MIXX 広告カンファレンスにおけるインタビューで、収益化への心配をする前にユーザー体験やサービスを改善することに集中していることを主張した。つまり、フェイスブックが従来重んじてきたユーザー第一主義のスタンスを再度アピールした格好だ。

 その一方、これとほぼ同タイミングでフェイスブックの収益化に絡むニュースが相次いだ。まず1つは、フェイスブックが会員の個人データの活用拡大を試験的に開始している(WSJ日本版)というものだ。

 これは、小売企業が持つメールアドレスや電話番号などの外部データとフェイスブックのユーザープロファイルの情報を照合して特定のユーザーにターゲット広告を配信したり、データ分析会社のデータロジックスと提携し、小売店から収集した顧客が購入する商品に関する情報とフェイスブックユーザーのアドレスなどを照合、どの程度の消費者がフェイスブック広告を見ていたのかについて推定するような試みだ。

米フェイスブックに初の女性取締役、サンドバーグCOOが取締役就任

今年6月、フェイスブックのCOOに就任したシェリル・サンドバーグ氏 〔AFPBB News

 当初の段階ではまずまずの成果を挙げているということだが、一方で、この動きがプライバシー保護の観点で問題視されている。フェイスブックは個人のユーザーデータを小売企業に販売したり、直接閲覧させたりはしていないことを強調しているが、プライバシー保護団体による厳しいチェックを受けている。

 米電子プライバシー情報センター(Electronic Privacy Information Center: EPIC)のプレジデントであるマーク・ロッテンバーグは米連邦取引委員会(FTC)に対して、フェイスブックとデータロジックスの提携に関する調査と、プライバシー訴訟の和解のためにフェイスブックとFTCが合意した条件に準拠しているか否かの判断を要請している。

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Kazuya Ogawa

アントレプレナー / デジタルマーケティングディレクター / 著述家
西武文理大学特命教授

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慶應義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。数々のITベンチャービジネスや、デジタルマーケティングディレクターとして大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。

ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行っており、著書、寄稿、講演、メディア出演多数。主な著書に、「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)、日本で初めての概念をテーマとした「ソーシャルメディアマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルメディア維新」(共著・毎日コミュニケーションズ)、「Facebookマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルブランディング」(共著・インプレスジャパン) など。

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