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コンテンツのアトリビューション

マーケティングの進化の方向性を考える

2012.09.20(木) 横山 隆治
    http://goo.gl/UIHrm
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 第三者配信サーバーを使用してコンバージョンパス分析をし、広告効果を直接流入だけでなく、間接効果も含め、トータルに把握する「アトリビューション」が本格化してきた。

 特に、これまでは広告に触れたことによる自然検索流入を全く広告効果として認めていなかったが、この分を評価をして、配分を変えることで実際に劇的にパフォーマンスが向上した事例がたくさん出てきた。

 ネット広告の評価(複数の媒体枠やリスティング、DSPなど)を並列に、その直前流入だけでいわゆるCPAを計算して評価するのは、比べている各媒体がすべて全く別々のユーザーにだけ接触している場合にはあり得るかもしれない。しかし、実際にはそんなことはないので、全くのナンセンスである。

 当然、単発の広告接触だけで効果を生むのは難しいので、複数の広告媒体接触で最適な効果を生むためには、どんな配分構成が良いのかが大きなデータになる。

 その意味では、アトリビューションというのは広告の貢献ポイントを正当に評価し直すことだけを言っているのではなく、実際に、評価どおりに「リ・アロケーション(再配分)」をしてパフォーマンスを上げる、または同じ効果でコストを削減することを言うのである。

 さて、第三者配信サーバーを広告主が自分で使い、広告配信対象(クッキー)を一元化することで、コンバージョンに至ったユーザーのコンバージョンパスデータを取得することができる。

 これは言ってみれば「カスタマージャーニー」のようなもので、最初に接触した広告から、どの程度の期間、どんな経緯を経て、コンバージョンまで到達したかが見て取れる。

 おそらくブランド担当者なら、一人ひとりのこのデータを1日中見ていても飽きないだろう。個別のユーザーデータとはいえ、いろんなヒントが埋まってるはずだ。

 これからは(いわゆるビッグデータ時代のマーケティングでは)、このコンバージョンパスデータともっと膨大にあるコンバージョンしなかったユーザーデータを比較して、コンバージョンした人にはあって、コンバージョンしなかった人にはない文脈を発見することが、施策に繋がるものと思われる。

 「コンバージョン性向」と呼ばれる「コンバージョンしやすさ、コンバージョンする傾向、要因」を明らかにすることができれば、単にネットマーケティングだけでなく、マス広告、リアルプロモーション施策を含めたマーケティング施策全体に対しての有益な情報を得ることになるはずである。

 その意味で、「アトリビューション」はまだ緒に就いたばかりで、これから進化するマーケティング手法であろう。

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横山 隆治 Ryuji Yokoyama

 

1982年青山学院大学文学部英米文学科卒。(株)旭通信社入社後、ビール、飲料、食品などのマス広告ブランドを多数担当。96年DAC設立に参画。DAC代表取締役副社長を経て、06年(株)ADKインタラクティブ代表取締役社長。現在(株)デジタルインテリジェンス代表取締役。ネット広告黎明期からその理論化、体系化に務める。著書に『インターネット広告革命』、『次世代広告コミュニケーション』、『トリプルメディアマーケティング』ほか多数。

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