米アップルと韓国サムスン電子のモバイル端末を巡る特許訴訟で、両社を和解させるという担当判事の試みは失敗に終わったようだ。
複数の海外メディアによると、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)とサムスンの権五鉉(クォン・オヒョン)CEOは8月20日、裁判外で紛争解決が可能かどうかを判断するため電話会談を行ったが、和解には至らなかった。
判事が与えた最後の和解チャンス
これは、両社の訴訟を担当している米カリフォルニア州北地区連邦地方裁判所のルーシー・コー判事が要請したもので、報道によると判事は両社が紛争を解決できるものと楽観していた。
だが、米ウォールストリート・ジャーナルなどのメディアよると、大方はこの最終協議は失敗に終わると予想しており、結果はその通りになった。
アップルとサムスンのCEOは審理開始前にも判事の要請で協議を行っていたが、その時も合意に至らなかったという経緯があるからだ。
今回は証人尋問が終わりに近づいたことから判事が和解のための最後のチャンスとして裁判外紛争処理(ADR)を促したが、結果は失敗に終わった。これにより、両社の裁判は21日に最終弁論が行われ、その後陪審員の評議が始まることになる。
類似性の有無を陪審員がどう判断するのか?
アップルは昨年の4月、米グーグルのモバイルOS(基本ソフト)「アンドロイド(Android)」を採用するサムスンのスマートフォンやタブレット端末が、アップルのユーザーインターフェースや製品デザインを模倣したと主張し、カリフォルニア州サンノゼの連邦地裁に提訴した。
一方、サムスンも通信技術に関する特許がアップルに侵害されたとして提訴し、その後両社の訴訟合戦は世界各国に広がり、今では10カ国で20以上の訴訟が提起されている。