英国の市場調査会社カナリスがまとめた調査によると、タブレット端末の普及が進む中、従来型パソコンが低迷しており、この状況はしばらく続きそうだ。
アップル、サムスン、アスースが好調
同社によると、この4~6月期の世界におけるクライアントPCの出荷台数は、1年前の9733万台から11.7%増えて、1億870万台に達した。
この四半期中に最も出荷台数が多かったのは米アップルで、同社の市場シェアは19.4%。1~3月期に首位だった米ヒューレット・パッカード(HP)のシェアは12.5%となり、2位に後退した。
3位は中国レノボ・グループ(聯想集団)でシェアは12.1%。この後、台湾エイサー(シェア9.8%)、米デル(同8.9%)と続いた。
アップルが1位となった理由は、「アイパッド(iPad)」の躍進だ。カナリスによると、4~6月期は3月に発売した第3世代のアイパッドが好調に売れ、クライアントPC全体の出荷台数を押し上げた。
このほか、韓国サムスン電子の「ギャラクシー・タブ(Galaxy Tab)」、台湾アスーステックの「トランスフォーマー(Transformer)」といったタブレットも堅調に推移して市場拡大に寄与したという。
カナリスが定義するクライアントPCとは?
カナリスは、従来型のパソコンとタブレット端末を1つの市場ととらえる珍しい調査会社だ。両者の用途や形態には大きな違いがあることから、多くの調査会社はこの2つを分けて統計を出しているが、カナリスはこれらを合わせて「クライアントPC」と定義している。
タブレットの台頭や景気の低迷によりパソコン販売が伸び悩む中、同社のアプローチはコンピューティングデバイス市場の全体像を表しているとして注目されている。