子供は結婚後に生じる最大の財産、「子供がいるから離婚しない」というのは至極当然の考えです。子供は何人いるのか、各々何歳なのかで、離婚への意思決定に影響を与えます。原則的に、子供の数が多ければ多いほど、子供の年齢は若ければ若いほど、離婚はしないものです。

 子供が生まれると、妻の関心は夫から子供へ何の抵抗もなく移行が行われます。「あなた」は突然に「パパ」になり、現実的には夫も喜んで、父としての機能を優先させるようになります。

「子はかすがい」は理由として正鵠を射ているようだが・・・

少子化の台湾、1兆円規模の子育て支援策を実施へ

子供は家の宝、国の宝だったはずなのだが・・・〔AFPBB News

 男から夫、夫から父への移行と、女から妻、妻から母への移行は、くるくる代わる日本の首相交代劇のように自然に変貌しますが、それが離婚を機にママ、パパと呼んでくれる存在が突然いなくなる・・・。

 確かに離婚を踏みとどまらせる理由のようには見えます。

 今回のテーマ、「子供がいるから、離婚はしない」は至極当然の発想です。子供のために我慢、少なくとも子供が成人するまでは離婚はしないというのも理由としてはもっともと言えるかもしれません。

 しかし、以下に挙げる2つの点をよく考えてみていただきたいと思います。まず1点目。「離婚はしないでください」と子供がお願いしたのでしょうか?

 ほとんどの場合、言っていないと想像します。離婚のために我慢するというのは、「子供にとって母子家庭や父子家庭は良くない」と我慢している当人が勝手に思っているだけで、子供の意思決定ではないはずです。

 子供に聞いたら「もちろんパパとママが仲良くしてもらって夫婦円満であってほしい」と願うことでしょう。しかし、もし前提条件であるパパとママが仲良くというものが実行されないのならば、果たしてそのまま我慢の連続である結婚は正しい姿なのでしょうか?

 夫婦関係が悪く、子供前でケンカをするような状況になるとますます子供にとっては良くないもの、むしろ離婚してケンカしない状況の方が子供にとってはベターな選択かもしれません。

 換言すると、離婚か結婚継続かの2択、夫婦仲が良いか悪いかの2択で考えて、「夫婦仲が良くて結婚継続」が最高であることは明らかですが、「夫婦仲が良くて離婚」は考えられないので、残る2つ、「夫婦仲が悪くて離婚」と「夫婦仲が悪くて結婚継続」の中では、どちらが良いのかは難しい判断です。