北米報知 2012年7月4日28号

 全日本空輸(ANA)のシアトル-成田路線の就航を祝うレセプションが6月28日、レントン市のボーイング社で催された。シアトルからアジアへ広がる新たな一翼を担うべく、国際線ネットワーク強化を図るANAが新路線へ意気込みを伝えた。

シアトル―成田路線就航を祝い乾杯する、ANA、日本政府、ボーイング、シアトル港湾局、シアトル観光局関係者たち

 ANAの戦略として掲げる国際線ネットワークの強化の一環となるシアトル路線。同社9つ目の米国路線は7月25日の就航となる。

 観光シーズン中にANAの存在感、需要価値を高める狙いもあり、平子祐志米州総支配人も「ANAがシアトル線を飛んでいると知っていただきたい」とアピールを図った。

 ANAによると、最新機種のボーイング787型機導入は10月を予定。米国路線の同機種投入先として、シアトルほか、シリコンバレーがありビジネス関係者の需要が期待できるカリフォルニア州サンノゼの新路線としている。

 シアトル-日本間は、ANAと業務提携を結ぶユナイテッド航空に加え、デルタ航空が毎日運航している。

 ANAによると、シアトルと日本間における渡航者は1日あたり200人ほどだが、アジア諸国を含むと約1000人となる。平子米州総支配人は、シアトル路線が「十分な需要がある」とし、成田を中継地とした国際線ネットワークに組み込むことに自信を見せる。

 シアトル発の便は成田着午後3時45分だが、同日中に日本国内8空港、アジア圏主要8都市へのANA便が同日乗り換えが可能で、ユナイテッド航空を含む業務提携社との連絡線を含めた連携強化も図る意向だ。 

革新のビジネスクラス、機内細部は日本式

 787型機はビジネスクラス、エコノミークラスの2クラス配備。ビジネスクラスは、スペースは従来から5割増とされ、隣席とのプライバシーも確保されている。

 エコノミークラスを含め、窓枠や荷物入れが大きく設計されたほか、電子機器使用の充実を図るUSBケーブルや電源差込口が各席に用意される。座席リクライニングも後部座席への影響を配慮した斬新な設計だ。