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以前とは全く異なる新時代のメディア生態系

変化と進化を先読みする~メディアの未来(6)

2012.07.24(火) 藤村 厚夫
    http://goo.gl/mBngE
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 連載「変化と進化を先読みする~メディアの未来」は、大きく変化するメディア、その変化の方向をさまざまなキーワードから追っています。

 連載第6回は、メディアの「新たなエコシステム」に着目します。「エコシステム」とは、文字通り「生態系」を意味します。むろんここでは、メディアビジネスにおける新しい“循環系”や“連鎖”について考えます。

 昨今、ビジネスの面から“エコシステム”を語る場合、一般には2つの視点を含意します。

 1つは、あるプラットフォーム提供者が開放系のビジネス基盤を用意し、そこに大小様々なプレーヤー(参加者)が自由に参加できるようにすることです。それぞれのプレーヤーは自らの利益のために活発に活動し、それによってプラットフォーム全体が活性化するというような関係です。

 もう1つは、それぞれのプレーヤーの“ウィン−ウィン”、すなわち共存共栄であるような関係です。いずれかが他を圧倒し排除してしまう支配的な間柄ではなく、それぞれのプレーヤーなりの存在意義をそこに見いだせるような関係です。

 本稿では、デジタル化・Web化の洗礼を浴びたメディア企業が、従来あったそれなりに安定したエコシステムの見直しを進めていることを、事例を中心に紹介していきます。

今回の注目ポイント:メディアの新しいエコシステムとはなにか

 最初に、米国の新聞社が新たなエコシステムづくりに向かっていることが、ゆくりなくも顕在化してしまった事例から紹介します。

米新聞のローカル記事がフィリピンで書かれている!(島田範正のIT徒然)

 記事は、米国のJournatic社という、新聞社に低廉に記事を配信するビジネスが内部告発された事件を紹介しています。

 同社は、フィリピンなど英語が使える労賃の安い地域に新聞掲載用の記事を大量にアウトソースし、これを経営に苦しむ米国の中小の新聞社に安価かつ大量に配信しているというのです。そのため地元に密着した執筆活動を伴いません。

 “事件”の直接の発端は、記事の署名に不誠実があったことが取り沙汰されたことにあるようですが、根っこは「署名」問題にはとどまりません。コスト削減をせずには経営が危ぶまれるような状況下で、メディア企業はどのようにしてコンテンツの創造を継続できるのかという点に関わります。

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藤村 厚夫 Atsuo Fujimura

メディアプローブ株式会社 取締役
1954年生まれ。法政大学経済学部卒。株式会社アスキーにて月刊誌の編集長など歴任。その後、ロータス株式会社(現日本IBM株式会社)でマーケティング本部長等を歴任。2000年に株式会社アットマーク・アイティを創業。IT技術者向けのオンライン専業メディア「@IT」を開設。合併によりアイティメディア株式会社代表取締役会長に。現在、メディアプローブ株式会社にて新規事業を担当。
執筆中のブログ:Blog on Digital Media

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