今夜は意表をついてイギリスのスパークリングワインを

男と女のワイン学(レッスン13)

2012.06.12(Tue) 平野 美穂
筆者プロフィール&コラム概要

 エリザベス女王の即位60周年にロンドン五輪と、今年は何かと話題が多い国、イギリス。

 イギリスと言えば、ビールとウイスキーの国と考えている方も多いことでしょう。確かにイギリスは料理へのこだわりが少ない国と見られており、食事と一緒にワインを味わうことよりも、パブやバーなどで他のアルコールを楽しむ文化の方が優勢なのも頷けます。

王室が植えたスパークリングワイン用のブドウ

 しかし、近年になってイギリスはスパークリングワインの生産にかなり力を入れてきています。

 2011年4月のウィリアム王子の結婚式で振る舞われたのは、イギリスの「チャペルダウン」というスパークリングワインでした。

結婚式を終えてパレードするウィリアム王子とキャサリン妃(Kate, Duchess of Cambridge、2011年4月29日撮影)。(c)AFP/GERARD JULIEN
AFPBB News

 また2012年5月には、ウィンザー城に隣接する広大な土地に、イギリス王室がスパークリングワイン用のブドウを1万6000本も植えたことが、世界のワイン愛飲家の間で話題になりました。3年も経てばブドウが収穫され、4~5年後にはリリースされます。おそらく市場に流通することはほとんどなく、プレミアなスパークリングワインになることは必須です。

 イギリスが国を挙げてスパークリングワイン事業に力を入れていることが見て取れます。今まで「イギリス王室御用達」シャンパンを標榜してきたフランスのシャンパンメーカーも、固唾を呑んで見守っていることでしょう。

 イギリス王室の新しい挑戦には、歴史的な伏線があります。ワインと縁が薄いと思われているイギリスですが、17世紀にある大発明をしています。

 シャンパンを発明したドン・ペリニョン(修道士)をご存じの方は多いはず。それに先駆けること30年、イギリスではスパークリングワインを飲んでいた記録があるのです。

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ワインライフプロデューサー。仏留学中にワインに魅せられ、仏ワインの輸入商社を経て現在はセミナーや講演等を中心に活動中。多様性のある日本の食卓や日本的なライフスタイルに合わせて、手軽に採り入れられる「ワインのある生活」を提案している。JSAワインエキスパート、WSET ADVANCED。東京下町育ち。


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