週刊NY生活 2012年5月26日397号

 日本貿易振興機構(ジェトロ、石毛博行理事長)は、5月19日から22日までの4日間、ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで開催された「ニューヨーク国際現代家具見本市(ICFF)」に日本企業16社からなる「ジェトロ・ジャパン・パビリオン」を出展した。

アワ-ドを受賞して喜ぶ八木取締役(右から4人目)ら関係者

 この中で、京都の老舗茶筒生産メーカーの開化堂(八木聖二社長)が出展した茶筒が「ICFFエディタース・アワード」を受賞した。アジア企業の受賞としては、2年ぶり2度目。

 同賞は、米国デザイン業界誌のトップ・エディター6人が審査員となり選出する賞で16部門あり、開化堂は職人技部門で受賞した。同社は、明治8年創業の日本で一番古い歴史を持つ手作り茶筒の老舗。

 同社六代目の八木隆裕取締役(37)は「今回初めてアメリカに寄せてもらいましたが、ニューヨークで評価をもらえたことは、今後、アメリカの市場に入っていく上で大きなステップになるものと思う」と喜びを語った。

 また、会場では、京都のインテリア・テキスタイルの細尾が西陣織りの帯を壁装飾用に幅広く製造した商品を紹介。東京のカーテンのニーデックは素材にこだわった商品が来場者の目を引いた。

 兵庫県の光洋製瓦は姫路城の瓦に使われている老舗で、タイルなどを紹介した。大阪のMKデザインも金属製スクリーンで日本の技術を披露した。

 ジェトロの浜野京・生活文化産業部長は「素材は各社違うが、日本の最もホットなものを持ってきている。来場者には驚きの商品ばかりだと思う」と自信を伺わせた。

 ジェトロコーデイネーターの三浦治義さんは「リーマンショック以降、世界のバイヤーのニーズに潮流の変化が見られた。

 目新しいもの、いいデザインのもの、量より質のビジネスという3つの特徴が鮮明になった。これは日本が得意とするもので、いまは日本の産業にとって絶好のチャンスだと思う」と話す。

週刊NY生活・本紙記事の無断転載を禁じます。JBpress では週刊NY生活の許可を得て転載しています)