米グーグル傘下の動画共有サイト「ユーチューブ(TouTube)」に著作権侵害の動画があるとしてドイツの著作権管理団体GEMAが訴えていた裁判で、ハンブルクの裁判所はグーグルに対し違法動画を排除するフィルター機能を強化するよう命じた

両者が勝利宣言?

ユーチューブ投稿動画、長さ制限を15分に延長

ユーチューブの画面〔AFPBB News

 これを受けてGEMAは22日に声明を出し、「ユーチューブの責任範囲を明確に示したもので、我々にとって重要な勝利だ」と勝利宣言をしている。

 一方でグーグルも「ユーチューブはあくまでもサービスを提供するプラットフォームであり、投稿されるすべての動画を管理する必要がないことが明らかになった」「(今回の判決は)音楽業界、作曲家、歌手、ユーザー、ユーチューブのすべてにとっての成功だ」などと判決を歓迎する声明を出した。

 両者のこうした声明は矛盾しているが、それは裁判所が示した曖昧とも言える判断が理由と見られている。

 裁判所は、「ユーチューブは動画共有のサービスを提供する場に過ぎない」というグーグルの主張を一部認め、「すべての投稿動画をグーグルが調査し、自主的に排除しなければならない」というGEMA側の要求を退けた。

 その一方で、著作権者によって指摘された違法動画については、グーグルは速やかに排除する必要があり、それを確実なものにするため、排除機能を強化するよう命じたのだ。

米国では、サービス提供企業が有利に

 ただそれでもグーグルは不服のようで、米ニューヨーク・タイムズは、グーグルは控訴するもようだと伝えている。

 米国では、2000年に施行されたデジタルミレニアム著作権法(DMCA)によって、サービスを提供するホスティング企業はコンテンツに対する責任の一部を免除されている。

 グーグルは常々ユーチューブがサービスをホスティングする企業であり、放送局のようなメディア企業ではないことを強調し、そのうえで、著作権管理ツールを開発、提供するなど最大限の努力をしていると主張していた。