2012年4月20日(金)11:30(日本時間13:30)。幕開けしたカンボジア証券市場(Cambodia Securities Exchange, CSX)の第1週が終了した。

 それに先立つ3月初め、縁あってカンボジアを初めて訪れたある日本人男性が、アジア新興国も株取引もズブの素人にもかかわらず、これまた縁あって、CSX投資に参加する機会に恵まれていた。

 果たして、その顚末はどうだったか、3月末からの彼の日記を追いかけてみよう。

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2012年3月29日(木)

 いよいよカンボジアで初上場する株式の一般申し込みがスタート。上場する会社名は何度聞いても覚えられないが、国営の水道会社らしい。

カンボジア初上場企業、プノンペン上水道公社(Phnom Penh Water Supply Authority)のイメージ写真

 ともかくカンボジアで初めて上場する株式。今日からはその2次申し込みに当たるそうだ。

 3月初めにあった1次申し込みは、ブックビルディング入札という方式だったようだが、それが何だかはよく分からない。

 友達に誘われたツアーで、ちょうどそのとき僕はカンボジアの首都プノンペンにいた。

 日本を出るときに「面白い投資ができるかもしれないから、一応いくらかお金も持ってきて」と言われていたから、空港での申告が必要ない程度のお金も持ってきていた。

 ところが、現地パートナーとして紹介されたJさんいわく「ちょっと手続き不透明なので見送りましょう」とのことで、とりあえずパス。

 でもいろいろ説明を聞いて、せっかくだから申し込みに加わってみようと決めていた。Jさんから2次申し込み参加の作戦を聞いたからだ。

 あとで聞いたら、1次申し込みでは、どうやら抽選に参加した投資家はあまり株をゲットできなかったらしい。普通に申し込んだ人々は、申し込み額の10%チョットくらいしか買えなかったようだ。

 しかもちなみに僕はいま東京。プノンペンにはいない。本人が現地にいないのに、本当に2次申し込みに加われるのか、けっこう不安だが、Jさんからの指示通りに、いろいろと事前に用意した。

 “Power of Attorney”(委任状のことらしい)というタイトルの、何か細かい指示がいろいろ具体的に書かれたA4サイズの紙。

 証券会社への指示と、決済銀行への指示。それぞれ別の紙だ。と言っても、中身は英語で分からないし、当然僕が書いたわけではないけど。

 委任状なんて「全部お任せします」にハンコでいいと思っていたが、Jさんいわく、こうした方が間違いないんだそうだ。確かに、ツアーで見にいった証券会社や銀行は、カンボジアとは思えないほど(?)しっかりした感じだった。

 いろいろしっかり書いてある委任状じゃないと受け付けない、と言われても不思議じゃない。お金の絡む話だし、むしろそれが当たり前か。