南国新聞 2012年1月1日号より

 JR九州とJR西日本から外務省を通じてマレーシアのマレー鉄道公社(KTMB)に寄贈された寝台列車「ブルートレイン」が「マラヤンタイガートレイン(以下MTT)」と名前を変え、12月16日から運行を開始した。

発車のベルを打ち鳴らすコン・チョハ運輸相

 正式開業セレモニーは12月19日、コン・チョハ運輸相、中村滋駐マレーシア日本国大使が出席し、ジョホール州のJBセントラル駅で催された。

 「ブルートレイン」の愛称で親しまれていた寝台列車のうち、今回寄贈されたのは九州特急ブルートレインの「はやぶさ」と「富士」の合計14両だ。12月16日には14両とも調整を終えて一般公開されている。

 マレー半島東海岸のジョホールバル(ジョホール州)~トゥンパット(クランタン州)間のチケットの一般売り出しは12月19日から始まっており、KTMBのウェブサイトで空席状況の確認などができる。

 現在は1日あたり1便のみで、2日かけて1往復するスケジュールだが、2月以降はジョホールバルおよびトゥンパットを発車する便が毎日1便ずつ、合計2便運行される予定だ。

 チケットはジョホールバル~トゥンパット間で44リンギ~150リンギに設定されている。停車駅は、クライ、クラン、グマスなど26駅だ。1列車7両編成で200人が乗車でき、年間6000人~1万人を輸送できる。

将来的には展望デッキも

 式典のなかでコン・チョハ運輸相は「ブルートレインは40年近く運行していたとは思えないほど状態がよかったが、これは日本にきっちりと点検、保守をする文化が根付いているからだ。KTMBの職員8人が今回北海道でブルートレインを運行するための研修を受け、点検、保守の文化を学んでいる。この文化をマレーシアでも取り入れていきたい。また、国内、海外の観光客だけでなくマレーシア国民が里帰りする際にも使って欲しい」と語った。