米IT大手のヒューレット・パッカード(HP)が、主力事業であるパソコンとプリンターの事業を統合すると複数の海外メディアが報じて、話題になっている。

 米ウォールストリート・ジャーナルの技術系情報サイト、オールシングスデジタルは事情に詳しい関係者の話として、事業統合の目的はコスト削減と業務の効率化だと伝えている。

 HPには、パソコンを手がける「パーソナルシステムグループ(PSG)」と、プリンターなどを手がける「画像およびプリンティンググループ(IPG)」があるが、同社はこの2部門を統合するもようだ。

 それぞれが消費者向けと法人向けの部門を持っており、個別に事業展開するよりも統合した方が業務効率が高まり、顧客に共通のアプローチができるとHPは考えているという。

全売上高の半分を占める事業部門に

米HP、パソコン事業の分社化を撤回 新CEOのもとで再検証

昨年9月にHPの社長兼CEO(最高経営責任者)に就任したメグ・ホイットマン氏〔AFPBB News

 HPで最大の事業部門はパソコン部門。この後、サービス部門、プリンター部門、法人向けサーバー・ストレージ部門と続いている。11~1月の四半期決算を見ると、それぞれの売上高は88億7300万ドル、86億2600万ドル、62億5800万ドル、50億1800万ドル。

 しかし同四半期のパソコン部門の売上高は1年前に比べ15%減少、営業利益は同31%減少した。一方プリンター部門の売上高も同7%減少、営業利益は32%減少している。

 米ニューヨーク・タイムズは、クラウドコンピューティングや米アップルのタブレット端末「アイパッド(iPad)」が普及したことで、顧客はこれまで以上に容易に文書や写真を保存したり、表示したりできるようになり、HPのパソコン、プリンター事業は窮地に立たされていると伝えている。