米グーグルが家庭用エンターテインメント機器の分野に進出すると複数の海外メディアが報じて話題になっている。

 関係筋が米ウォールストリート・ジャーナルに伝えたところによると、グーグルは家庭内の様々な場所に音楽を無線でストリーミング配信できるシステム機器を開発中という。

アンドロイド搭載のデジタルメディア機器

米グーグル、家庭用エンタメ・システムを開発中か 米WSJ紙

グーグルのロゴ入りカップ〔AFPBB News

 これを使うと、インターネットからコンテンツをダウンロードし、システムのスピーカー、あるいはネット接続しているほかの機器に音楽を配信できるようになる。

 将来的には音楽以外のデジタルメディアも利用できる見込みで、これらはグーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載するスマートフォンやタブレット端末からも操作できる。

 記事によると、グーグルのアンドロイド部門が過去数年にわたって開発計画の指揮を執ってきた。また、製品はグーグルの自社ブランドで展開する可能性があり、年内にも発表されると見られている。

 同紙は「これまで主にスマートフォン、タブレット端末、テレビ向けOSの開発に重点を置いてきたグーグルにとって大きな転換点」と指摘。「米アップルのようにハードウエアとソフトウエアを組み合わせた製品戦略をグーグルは重視している」などと伝えている。

252台の試作機、従業員の自宅で実験

 米ニューヨーク・タイムズによると、グーグルは既に試作機を完成させているようだ。同社はこれに先立つ昨年12月に、米連邦通信委員会(FCC)に試験使用の許可を求める書類を提出している。

 これには、グーグルが今年1月から7月にかけて252台の試作機を実験室から持ち出して試験運用するとある。設置場所はすべて従業員の自宅。

 「Wi-Fi」や「Bluetooth」といった無線通信の接続性、安定性を調べるほか、機器の基本性能や設計上の問題点を洗い出すのが目的としている。