米ヤフーは17日、共同創業者のジェリー・ヤン氏が同社の取締役とそのほかの全ての役職を辞任したと発表した。同氏は日本のヤフーと中国アリババ・グループ(阿里巴巴集団)の取締役も務めていたが、そちらも同日付で退任した。

 ヤフーはその理由について明らかにしておらず、ヤン氏も取締役会会長に宛てた書簡で「ヤフーを離れてほかのことを追求する時が来た」と述べただけで詳細は不明だが、米ウォールストリート・ジャーナルは、ほかの取締役や株主からの圧力があり辞任を決めたと伝えている。

MSの買収提案を蹴ったヤン氏

米検索大手ヤフーのジェリー・ヤンCEO、辞任へ 後任選び始まる

ジェリー・ヤン氏(2008年撮影)〔AFPBB News

 ヤン氏は2007年6月から2009年1月にかけて最高経営責任者(CEO)を務めた。その間に米マイクロソフト(MS)のスティーブ・バルマーCEOから総額446億ドルの買収提案があったが、ヤン氏はこれを頑なに拒否し、バルマー氏のヤフー買収計画は失敗に終わった。

 しかしその後同社の株価は下落し、業績の低迷も続いた。時を同じくして米グーグルが台頭し、ヤフーはネット検索市場でシェアを奪われていった。

 ヤフーでは、2009年1月中旬にヤン氏の後任として、CAD(コンピューターによる設計)ソフト大手、米オートデスク元会長のキャロル・バーツ氏をCEOに迎え入れて経営改革に着手した。

 ヤン氏ももう1人の共同創業者、デービッド・ファイロ氏とともに「チーフヤフー」の肩書で同社の経営に携わった。

 しかし今度は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブックが台頭し、ディスプレイ広告の分野でヤフーのシェアを奪っていった。