米グーグルが早ければこの6、7月にも電子書籍の販売事業に乗り出すと米ウォールストリート・ジャーナルなどのメディアが報じている。5月4日にニューヨークで開催された出版業界誌主催の討論会に出席したグーグルの戦略パートナー開発担当マネジャーが、その具体的なスケジュールを明らかにした。
同社はこれまで、電子書籍のオンライン配信についてビジョンは語っていたものの、その内容については発表してこなかった。現時点ではまだ不明な点があるが、ようやく概要が明らかにされたというわけだ。
「グーグル・エディションズ(Google Editions)」と呼ぶこの新サービスでは、ユーザーは同社の書籍検索・閲覧サービス「グーグル・ブック・サーチ(グーグル・ブックス)」で探した書籍のデジタルコピーを購入できるようになる。
市場には米アマゾン・ドットコムの電子書籍端末「キンドル(Kindle)」、米アップルのタブレット端末「アイパッド(iPad)」のほか、書店大手米バーンズ&ノーブルやソニーの端末なども登場しているが、グーグルのサービスがこれらと決定的に違うのは、端末に依存しないコンテンツにあるという。
討論会を主催した業界誌、パブリッシャーズ・ウイークリーの記事によると、グーグルは「HTML5」といったウェブの新しい標準技術を使うなどして、あらゆる端末でコンテンツを利用できるようにする考え。
通常のウェブブラウザーに何ら追加機能を施すことなく誰でも閲覧できるようにするという計画だ。
小売業者を限定しない新たな販売モデル
グーグルのクリス・パーマ戦略パートナー開発担当マネジャーは、小売業者を限定しないこともグーグル・エディションズの特徴と説明している。