米IHSアイサプライが発表した最新の市場予測によると、来年1~3月期における世界のパソコン出荷台数は8420万台にとどまり、同社の事前予測から380万台減少する見通し。
タイの洪水の影響でパソコン向けハードディスク装置(HDD)の生産が滞っており、生産が抑制されるという。
本格回復は来年7月以降
同社はこの10~12月期におけるパソコン出荷台数が9530万台になると見ており、来年1~3月期はこれから11.6%減少する。
10~12月期は年末商戦があるため、1~3月期はその反動で6%程度落ち込むのが常だが、来年は下げ幅が一段と広がることになる。
「関係者は、十分なHDD在庫があると話しているが、在庫は間もなく底を突き、1~3月期に影響が出る」とIHSのマシュー・ウィルキンス主席アナリストは述べている。
同社によるとこの状況が改善し始めるのは1~3月期。しかし、サプライチェーン(部品の調達・供給網)全体が回復するには時間がかるため、HDD業界全体が需要に応えられるようになるのは7月以降という。
すでに大手HDDメーカーが生産施設をタイ国外に移し、代替生産を行っているが、それでも問題がいくらか緩和される程度という。
これに伴ってIHSアイサプライはこれまで3億9900万台としていた来年1年間のパソコン出荷台数を3億7600万台に下方修正した。つまり、1年で見ると2300万台減ることになり、1~3月期における400万台程度ではすまないことになる。