モスクワばかりがロシア関連ニュースの舞台となっているが・・・。
3月28日、モスクワ都心の地下鉄駅2カ所で自爆と思われる爆弾テロが発生したという衝撃的なニュースが伝えられた。また4月2日には、ユニクロがロシア第1号店をモスクワで開店したとのニュースも入ってきた。
ユニクロに本田が活躍するCSKAモスクワに・・・
さらに、日本代表MF本田圭佑が所属するCSKAモスクワがサッカーの欧州チャンピオンズリーグで健闘している。
このように、ロシアに関してネガティブなニュースとポジティブなニュースが相次いで報じられる今日この頃であるが、上記のニュースはいずれもモスクワに関連するものとなっている。
その一方で、モスクワ以外の都市が舞台となるニュースが日本において話題になることは、(ペテルブルクや極東を除いて)ほとんどないように思われる。
そこで今回は、モスクワでもペテルブルクでも極東でもないロシアの地方都市、具体的にはロシア中部ウラル山脈沿いの都市エカテリンブルク(スヴェルドロフスク州の州都で人口約133万人。ロシア第4位の都市)について、現地における「日本ブーム」現象を中心に見ていくこととしたい。
地方都市でも日本ブーム
近年、ロシアにおいて日本がブームであると言われている。
実際、モスクワの街を5分も歩けば寿司を出す店に出くわすし、書店に行けば村上春樹の翻訳本が並んでおり、DVDショップに行けば黒沢明や北野武の映画が揃っている。
このような現象は首都モスクワだけでなく、地方都市においても見られており、もはや一過性の「ブーム」という言葉では片づけられないようなものとなっているように思われる。
筆者はこの3月に史料調査のためにエカテリンブルク市を訪れたのだが、到着して間もなく、現地で「日本祭」が開かれているという話を耳にした。さっそく会場の1つであるエカテリンブルク造形芸術博物館に出かけてみると、博物館正面を覆う大きなポスター(というよりも垂れ幕)が目に入った(写真上)。