中国当局のネット検閲に反発する米企業がもう1社現れた。ドメイン名登録サービスの大手ゴーダディーは3月24日、米議会の公聴会で中国のドメイン名「.cn」の新規登録を中止すると証言した。複数の米メディアが伝えている。

 米ワシントン・ポストによると、中国当局は昨年の12月、ドメイン名の登録者情報を求める新たな規制を設けた。

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北京で、インターネットを閲覧する人々。「.cn」は約2万7000件の登録がある〔AFPBB News

 ほとんどの国では、登録者の名前や住所、電話番号、電子メールアドレスといった情報を求める程度だが、中国当局はこれに加え、カラーの顔写真、中国の法人登録番号、署名が入った申請用紙などの提出を義務づけている。これらの情報は、中国の準政府機関「中国インターネット・ネットワーク情報センター(CNNIC)」に送られ、管理されている。

 ゴーダディーはもはやこれ以上の情報提供は続けられないと判断、「.cn」の新規登録中止を決めた。同社のクリスティン・ジョーンズ上級副社長は、「登録者情報の管理水準が強化されており、その背景にある動機について我々は懸念を抱いている」と述べている。

 また同氏は、「中国人登録者について、監視を強化したいという当局の意向が背景にあると考えている」とし、「過去にさかのぼって登録者の追加情報を求めてきたのは中国が初めて」とも語った。

顧客はサイバー攻撃を受けている

 このほか同社顧客のウェブサイトがサイバー攻撃を受けていることも明らかになった。

 「中国ドメイン名を持つ当社の顧客は、最近サイバー攻撃を受けるようになっている。攻撃の対象となるウェブサイトには同じような傾向がある。それらは天安門事件や人権という内容のコンテンツが含まれており、当局が好ましくないと考えているようだ」(ジョーンズ氏)

 これについて、人権擁護団体米ヒューマン・ライツ・ウォッチのディレクター、アービンド・ガネサン氏は、「政治的発言をしたならば、我々は誰がそこに関与しているか、どのウェブサイトがその背景に潜んでいるのかも把握したい、というのが中国政府の意図。企業を中国政府のための検閲官やスパイにしようとしている」と述べている。

 「検閲政策を強化し、中国における米国企業の自由な行動を弱体化させるという、新たな事例だ」(ガネサン氏)