米国半導体工業会(SIA)が10月31日にまとめた最新の半導体市場調査結果によると、この9月における世界半導体売上高は257億6000万ドル(3カ月の移動平均、以下同様)となり、1年前の262億1000万ドルから1.7%減少した。
世界経済が不安定で販売が低迷していることがその理由だが、最近の数値と比較すると回復基調を示しており、明るい兆候が出ている。
例えば、9月の売上高を前月の250億800万ドルと比較すると2.7%増となる。また3カ月前の252億4000万ドルと比較すると2.1%増。年初来ベースでは2.2%増えている。
スマホやタブレットなどモバイルが好調
SIAのブライアン・トゥーイー会長はタイの洪水被害にも触れて「年末にかけて先行きは不透明だ」としながらも、「9月の実績で第3四半期を楽観的に締めくくることができた。米国や欧州における成長にも勇気づけられる」コメントしている。
9月の売上高を地域別に見ると、アジア太平洋地域が142億2000万ドルで1年前に比べ1.6%増となったものの、ほかは米大陸が46億1000万ドルで同3.7%減、欧州は31億3000万ドルで同3.1%減、日本は38億ドルで同9.3%減といずれも減少した。
しかしこれを前月と比較すると、アジア太平洋地域の3.2%増をはじめ、米大陸の0.7%増、欧州の2.1%増、日本の4.2%増とすべての地域で上昇している。
日本の伸び率が最も高いがSIAではこれについて、「東日本大震災からの復旧という日本人の努力によって成長がもたらされた」と説明している。日本の売上高は3カ月前と比べると13.7%伸びており目覚ましく回復している。