前回は新たな段階に入った米中「サイバー戦争」の一端をご紹介した。案の定、グーグルが中国撤退を示唆する発表を行った1月12日以降、米中政府間ではネット検閲を巡る非難の応酬がエスカレートしている。
今回と次回の2回にわたり、米側が問題視する中国の悪名高き「ネット検閲」の実態につき検証していきたい。
ネット検閲を巡る米中の応酬
中国の国営新華社通信は1月25日、中国政府のサイバー攻撃関与を否定し、ネット検閲は必要だとする政府高官2人のコメントを発表した〔AFPBB News〕
「この問題は、単に情報の自由だけでなく、私たちがいかなる世界を望み、いかなる世界に住むかということにも関わっている」
1月21日のヒラリー・クリントン国務長官のこの発言は中国側を強く刺激したようだ。翌日には中国外交部報道官がネット検閲を「人権侵害」と批判したクリントン演説を「事実に反し、中米関係を損ねる」ものとして強烈に批判している。
米政府はグーグル問題を単なる米企業の中国市場参入問題とはとらえていない。中国側は、米国がインターネットにおける「情報の自由」を大義名分として、中国の政治体制そのものをターゲットにしたと受け取ったのだろう。
ちなみにこのクリントン発言、いかにも「アメリカ的」発想だと思う。彼女の演説を読み直していたら、1990年8月のイラクのクウェート侵攻直後、当時のジョージ・ブッシュ(父親)大統領が米国民に対イラク戦争支持を呼びかけた有名な演説の一節を思い出した。
「1つの国家が生存するうえで、今私たちは自分たちが何者であり、何を信じているかを明らかにする必要に迫られている」
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