昨年は例年以上にJBPressをはじめとした各メディアで世代間経済格差の問題を読んだ感がある。団塊ジュニアでロストジェネレーションに当たる筆者も他人事とは思えず、深く考えさせられた。

高度成長の社会を静かに蝕む世代間格差

フリーマーケットでお仕事探し、中国

中国では若い人たちの失業が新たな問題として浮上している。写真はフリーマーケットで仕事を探している女性〔AFPBB News

 と同時に、「中国でも世代間格差があるのだろうか」との疑問が頭に浮かんだ。そこで、中国の若者たちとその点について話し合い、かつネットで調べるなどしてみたところ、中国でも自分たちよりも上の世代を羨む世代間格差が存在していることが分かった。

 ご存じのとおり中国は改革開放以降飛躍的に成長した。毎年人々の給料は上がった。物価も比例して上がってはいるものの、今の若者の方が20年前の若者よりも、モノがあふれ欲しいものを何でも手に入れることができる。

 また、一人っ子の恩恵により親族から溺愛され幸せなはずである。何が不満なのだろうか。

 不満の数々を短い文章でまとめた「当我們読大学的時候,読小学不要銭」という文章がネット上の多数のブログに転載されている。

 原文に興味があれば、この文章を検索ワードに検索してほしい。転載された文章の中には、多少加筆されているものもあるが、ここでは加筆されていない基本の文章をある程度意訳して紹介する。

僕たちが小学生の時、大学は学費が不要だった
僕たちが大学生の時、小学校は学費が不要だった

僕たちが社会人でない時、仕事は分配された
僕たちが社会人になった時、一生懸命探してようやっと安月給の仕事をした

僕たちが社会人でない時、家は分配された
僕たちが社会人になった時、家は買えないほど高いものとなった

僕たちが株を買えないほど幼い時、誰でも株で儲かった
僕たちが株を買える歳になった時、株をやるのは愚か者だけだった

僕たちが幼い時、自転車に乗れるだけでも嫁が見つかった
僕たちが適齢期の時、マイホームや車がなければ嫁は見つからなくなった

僕たちが幼い時、女性は男性の心を重視した
僕たちが適齢期の時、女性は男性の経済状況を重視した

僕たちが幼い時、小学校卒でも社長になれた
僕たちが仕事を探す時、大学生でもトイレ掃除の仕事しか見つからない

僕たちがいない時、たくさんの子供を持てた
僕たちが大人になった時、子供を何人も産むことが許されなかった

質問:僕たちの世代は何かやらかしたのか