AP通信社は12月12日、トルクメニスタンから中国へのガスパイプラインが開通し、開通式が行われたことを報じた。同記事は、中央アジアに対するロシアの影響は劇的に弱まり、地域のパワーバランスが抜本的に変わっていると解説している。
しかし、モスクワは案外、神経をとがらせていないようだ。プーチン首相は、「ロシアが中国に天然ガスを供給する計画には、一切影響がない」と冷静に反応していた。プーチンが無頓着でいられるのには、いくつかの理由があると思う。
ロシアを巻き込む中国の経済成長
第1の理由は、中国の経済成長の勢いが、ロシアをも飲み込んでいることである。
中国は貿易を拡大させるだけではなく、海外への直接投資を急激に増加させている。特に世界経済危機後、米国をはじめ世界中でチャイナマネーが支配力を強めている。
銀行が貸し渋る時代に、中国は積極的な海外投資と融資を行っている。中国の海外投資の統計は乏しいが、信頼できる筋によれば、2004年に18億ドルだった額が、2007年には260億ドルまで増えた。2011年に720億ドルまで増大する公算は大きい。その通りだとすれば、7年で40倍にまで増加することになる。
今や中国による海外投資は、世界経済の成長を促す基本要因となっている。中国はアフリカへの進出にも熱心だ。アフリカと中国の間に位置し、中国にほど近い中央アジアの資源が魅力的に映るのは当然である。ロシアがこれを妨害できるはずはない。
ガスパイプラインの建設コストは73億ドルが見込まれている。これに付け加えて、今回、中国はエネルギー資源開発会社とは別に、非エネルギー部門の合弁会社を設立する計画も発表した。中国はこの合弁会社設立に35億ドルの投資を行う。
貿易分野でも中国の中央アジアへの進出は目覚ましい。2005年頃より、中央アジアに隣接する新疆ウイグル自治区を経由して、「世界の工場」の商品が津波のように中央アジアに流れ込んでいる。
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