アマゾンは「ビッグブラザー」? 電子書籍を無断で遠隔削除

アマゾン・ドットコムが狙うのはデジタル図書館か(写真は同社CEO=最高経営責任者=のジェフ・ベゾス氏)〔AFPBB News

 米ウォールストリート・ジャーナルは11日付の電子版で、米アマゾン・ドットコムが電子書籍の定期購読(サブスクリプション)サービスを計画していると報じた。

 米国では一定の月額料金を払えば、映画やテレビ番組などの映像コンテンツがネットで見放題になるサービスが人気だ。

 例えば米ネットフリックス(Netflix)、あるいは先頃日本にも上陸したと話題になった米フールー(Hulu)などがあるが、アマゾンはこれと同様のサービスを電子書籍で行おうとしている。

会員制“デジタル図書館”を構築へ

 電子書籍のサブスクリプションサービスはこれまで、特定の新聞や雑誌を年間購読するといったものはあったが、アマゾンのように不特定多数の書籍を対象に読み放題にする会員制“デジタル図書館”の試みは珍しい。

 小売り大手のアマゾンがこの事業に乗り出すことは、出版業界全体に及ぼす影響が大きく、波紋が広がりそうだ。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アマゾンは年会費制でこのデジタル図書館を提供するほか、同社の商品配送優遇プログラム「アマゾンプライム」とも組み合わせると伝えている。

 アマゾンプライムは、注文日の翌々日までに品物が届く「急ぎ便」を無制限で利用できるというもので、年会費は79ドル。同社は既にこのサービスの加入者向けに映画配信サービスを追加料金なしで提供し、オンライン小売りとデジタルコンテンツ事業の相乗効果を図っている。今度はこれに電子書籍も加えるというわけだ。