15日に発表された、米グーグルによる米モトローラ・モビリティ買収のニュースは、いまだ興奮さめやらぬといった状況で、欧米のメディアが今も様々に報じている。その中で顕著なのが、この買収により業界再編が起こるという見解だ。
垂直統合型の開発進む
例えば、グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド」が今後、より有利な形でモトローラ・モビリティに提供されると懸念する端末メーカー各社は、これまでグーグルに依存していた事業体制を危険と認識するようになり、別のOSの採用を模索することになる。
そこで白羽の矢が立つのがグーグル同様にOSをメーカーにライセンス供与している米マイクロソフト。
同社のモバイルOS「ウィンドウズフォン7」は、フィンランド・ノキアが本格的な採用を決め、現在製品開発を進めているが、今後はその動きがほかのメーカーにも広がり、マイクロソフトに大きなチャンスが広がると見られている。
一方で、英フィナンシャル・タイムズは、今後端末メーカーとOSメーカーが関係をより密にし、OSからハードウエアまでを一貫して開発する垂直統合型のスタイルが増えてくるのではないかと報じている。
現在スマートフォン市場で名の知れているOSといえば、アンドロイドやウィンドウズフォン、米アップルの「アイオーエス(iOS)」のほか、カナダRIM(リサーチ・イン・モーション)の「ブラックベリー」、ノキアの「シンビアン」、米ヒューレット・パッカード(HP)の「ウェブOS」がある。
このうち垂直統合型の開発をしているのは、アップル、RIM、HPの3社。今後はこれにグーグルが加わることになる。