ロンドン警視庁がまたハッカー1人を逮捕した。ネット上で「トピアリー(Topiary)」と名乗っていた18歳の男で、ハッカー集団「アノニマス(Anonymous)」と「ラルズセック(LulzSec)」の広報役を務めていたと目されている。

 ここのところ米連邦捜査局(FBI)が米国のオンライン決済サービス「ペイパル(PayPal)」のサイトにサイバー攻撃を仕かけたとして14人余りを逮捕するなど、各国警察当局の取り締まりが勢いを増している。

メディアにも出演していた情報仲介役

英国スコットランド・シェットランド諸島

 PCeU(Police Central e-Crime Unit)と呼ばれる、英内務省とロンドン警視庁のサイバー犯罪合同捜査本部が7月27日、スコットランド北東部のシェトランド諸島で男を逮捕し、今はロンドン中心部の警察署に移送し取り調べを行うとともに、男の自宅も調べている。

 PCeUは、6月にもロンドン東部に住む19歳の男を逮捕しており、今回の逮捕も、国際的な企業や情報機関を狙った一連のネットワーク不正侵入、サービス妨害(DDoS)攻撃の捜査の一環としている。

 米ニューヨーク・タイムズによると、6月に逮捕された19歳の男は、ラルズセックとの接点がほとんどない人物だったが、今回のトピアリーという男は、ラルズセック、アノニマスの両グループとメディアとの間で情報の仲介役を務めていた中心的なメンバー。