米アマゾン・ドットコムが7月26日に発表した4~6月期決算は、純利益が1年前に比べ8%減と2四半期連続で減少したが、この減益幅はアマゾンやアナリストが予想していたよりも少なく、投資家は大して気にしていないという。

 同社は今、積極的に投資を行っている。このため、物流施設やネットワークインフラなどにかかる営業経費が97億1200万ドルと1年前から54%増加した。

 同社は創業時と同様にネット上での地位強化に力を入れており、そのことが投資家に評価されていると米ニューヨーク・タイムズが報じている。

巨大物流施設を2つ建設へ

アマゾン4~6月期、売上増も純利益減

アマゾンのサイト〔AFPBB News

 4~6月期の純利益は1年前の2億700万ドルから1億9100万ドルへと減少した。利益を圧迫しているのは、アマゾンの言うところの「正当な理由」。新たな物流拠点やテクノロジー分野への資金投入だ。

 例えば、この7月に同社は、米インディアナ州とアリゾナ州に、それぞれ4つ目となる物流センターを建設すると発表した。

 前者は東京ドーム1.8個分、後者は2.4個分の施設だ。このほか同社は電子書籍リーダー「キンドル(Kindle)」の成功をもとに、多目的タブレット端末をこの秋にも市場投入すると言われている。

 書籍の分野では、電子書籍の販売部数が、ハードカバーとペーパーバックを合わせた全印刷書籍の部数を上回るなど成功を収めている同社だが、音楽や映画/テレビ番組などの電子コンテンツについては、米アップルなどのライバルの後塵を拝している。