欧州は大きな転機を迎えているわけだが、大西洋の対岸にある米国もまた、国債がデフォルトするかもしれないという、世界経済に多大な影響を及ぼす歴史的な局面を迎える可能性が出てきた。

米国債がデフォルトを迎える日

「米国債の格付け引き下げ」、実施されれば何が起きる?

米ワシントンD.C.の連邦議会議事堂内に立つ、ジョージ・ワシントン初代米国大統領の像〔AFPBB News

 FT紙の「米国が債務危機に陥る日」は、米財務省の見解として、そのXデーが8月2日になるだろうと書いている。

 「財務省は、最後の審判の日が8月2日だと推定している。財務省はこれまで緊急時対応策について議論することを断固拒否してきたが、議会が債務上限を引き上げられなかった場合には、市場のパニックを避けるために迅速に行動しなければならない」

 米財務省はデフォルトを回避するためにあらゆる手を尽くすだろう。しかし、もしそれらが不調に終わった場合にはどのような世界が待ち受けているのか。

 「最悪のケースは、レバレッジを利かせた投資家が財務省証券の売却を余儀なくされ、その衝撃が他の市場に波及して典型的な金融パニックを生み出すことだ」

 「財務省証券は非常に大量に利用されているため、リスクは多岐にわたる」

 「他のすべての債券の価格が財務省証券に基づいているため、信用市場の取引が干上がってしまうかもしれない。また、米国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率が上昇し、信頼感が打ち砕かれる恐れもある」

 「それは想像するのも恐ろしい状況だ。投資家が、議会が自分たちをそんな状況には追い込まないだろうと考えている理由もそこにある」

 2008年のリーマンショックをはるかに上回る激震が世界を駆け巡ることになるかもしれない。もちろん、投資家が期待しているように米議会はそんなことが起きないように債務上限を認める可能性は高い。