オンラインメモサービスを手がける米国の新興企業、エバーノート(Evernote)が5000万ドル(約39億円)の出資を受けたというニュースが話題になっている。
出資したのは、米セコイア・キャピタルと米モルゲンターラー・ベンチャーズ。いずれも米アップルや米グーグルなどへの投資で知られる有力ベンチャーキャピタル(VC)だ。
ユーザー数、サービス開始から3年で1100万人に
エバーノートは2009年11月にモルゲンターラー率いる投資グループから1000万ドルを、2010年10月にはセコイアなどから2000万ドルを調達しており、この2社から出資を受けるのは2度目となる。
これまで、同社は集めた資金をウェブや、携帯電話、タブレット端末といったサービスのプラットフォーム開発に充てたり、新市場進出の費用に使ったりしてきたが、今回の狙いはM&A(合併・買収)。企業買収を通じてサービスや機能の拡充を図りたい考えだ。
米ニューヨーク・タイムズによれば、同社のフィル・リービン最高経営責任者(CEO)は電話インタビューに応じて「当社のコンセプトとサービスに合致する企業を買収していく。今後数週間以内に規模の小さな買収案件をいくつか発表する」と述べたという。
この戦略の一環として、同社は、セコイアから取締役を1人受け入れるほか、モルゲンターラーからケン・グリクセン氏という人物を経営戦略とM&Aの担当者として雇い入れた。
エバーノートがサービスを一般公開したのは2008年の6月。当初12万人だったユーザー数は、2009年10月には200万人となり、2010年10月の時点では470万人、現在では約1100万人にまで拡大している。