中国のネット検索最大手のバイドゥ(百度)と米マイクロソフトが、中国における英語検索のサービスで提携すると複数の海外メディアが伝えている。
バイドゥのサイト「Baidu.com」で英語の検索語を入力すると、マイクロソフトの検索エンジン「ビング(Bing)」が実行され、その結果をバイドゥのサイトに表示する。両社はこうした仕組みを開発し、年内にもサービスを開始する計画だ。
マイクロソフト、中国市場でビングをテコ入れ
米ウォールストリート・ジャーナルや英フィナンシャル・タイムズによると、双方の間ではこの提携による金銭のやりとりはない。
マイクロソフトは中国の検索サービス市場に参入しているが、同国の調査会社アナリシス・インターナショナルによれば、ビングのシェアは1%に満たないという状況だ。
そこでマイクロソフトは同市場で4分の3以上のシェアを占めるバイドゥの力を借り、ネット人口4億7000万人と言われる世界最大のインターネット市場でビングの知名度向上を図るのが狙いだ。
一方中国では英語を第2の言語として学ぶ人が増えており、英語検索の需要が増えつつある。今ではバイドゥのサイトで1日当たり1000万回以上の英語検索が行われており、バイドゥはマイクロソフトと組むことで英語サービスの拡充を図りたい考えだ。
中国の検索サービスから撤退したグーグル、ディスプレイ広告に注力
米グーグルが中国本土で行っていた検索サービスから撤退したのは昨年の3月のこと。グーグルは中国からのサイバー攻撃や、中国当局から強要されている検閲が耐えられないとして、同国本土で提供していた検索サービスを停止。サーバーを中国本土とは法制度が異なる特別行政区の香港に移し、香港経由で本土向けサービスを提供している。