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価値観の多様化などを背景に、従来のマネジメントが通用しなくなってきている。本稿では、『一流のマネジャー945人をAI分析してわかった できるリーダーの基本』(越川慎司著/日経BP)から、内容の一部を抜粋・再編集。目覚ましい成果を上げ続けるリーダーに共通する働き方をAIで分析・検証して導き出された「これからの時代に必要なリーダーの行動原則」を紹介する。
リーダーがつい口にしがちな「責任感を持て」という言葉が、モチベーションの低下を招くのはなぜか。メンバーの主体性を引き出す方法とは?
「責任感を持て」がNGである3つの理由
2020〜2025年に弊社が228社1万7195名を対象に行った「1on1満足度調査」(注:第3章の同名調査とは調査内容と対象者が異なる調査)で、興味深い事実が明らかになりました。
「責任感を持て」「当事者意識を持て」と頻繁に口にするリーダーのチームほど、メンバーの主体性が低下する傾向が見られたのです。
これは、ダニエル・カーネマンの研究でも裏づけられています。彼の研究によれば、外部からの強制や圧力は、人間の内発的な動機づけを著しく低下させることが明らかになっています。
つまり、「責任感を持て」という命令は、本来持っている自発的な責任感を押しつぶしてしまうのです。
なぜ、このような逆説的な結果が生まれるのでしょうか。
実は、「責任感を持て」という言葉の強制力には、3つの問題が隠されています。







