鹿児島県・奄美大島の嘉徳海岸写真提供:共同通信社
第2次トランプ政権発足後、相互関税など急な政策転換により世界が翻弄される中、日本は戦後の対米追従から脱却できるのか。マッキンゼー元日本支社長で経営コンサルタントの大前研一氏が著した『ゲームチェンジ』(大前研一著/プレジデント社)から内容の一部を抜粋・再編集。強い日本を取り戻すための道を提言する。
大前氏が「GDPを1割成長させることも可能」と語る、日本の観光立国化。国、地方自治体、企業はどのような戦略で取り組むべきか。
観光産業は5兆円が15兆円へ、さらに50兆円に伸びる
『ゲームチェンジ』(プレジデント社)
図2-30は、訪日客消費と日本の主要品目輸出額を比較したものだ。
訪日客消費は2023年段階で5.3兆円と、自動車(17.3兆円)、半導体等電子部品(5.5兆円)に次ぐ第3位の規模になっている。
訪日外国人が政府目標の6000万人にまで増えたとき、この5.3兆円は15兆円になり、自動車産業とほぼ同規模になる。これを富裕層まで取り込んで、インバウンド消費の単価を上げて、滞在期間を延ばしていき、そして地方に分散させることができれば、50兆円まで伸ばせると私は考えている。
長い間、日本最大の輸出産業は自動車だったが、今後は訪日客消費とすべく、巨大な成長市場を積極的に取り込む必要がある。







