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プロダクト企業からDX企業へ転換すべく、全社変革プロジェクトに取り組む富士通。JTC(Japanese Traditional Company:日本の伝統的企業)である同社は、いかに時代の変化を成長の機会と捉え、生まれ変わろうとしているのか。本稿では、『CROの流儀 』(大西俊介著/日経BP)から内容の一部を抜粋・再編集。CRO(最高収益責任者)が企業変革で果たすべき役割と、その舞台裏に迫る。
CROの最も重要な仕事は「顧客フロント(営業体制)」の改革にある。その前提となる「製販統合」がなぜ必要なのか?
精鋭たちに武器を授け、経営と対話できる顧客フロントへ
『CROの流儀』(日経BP)
私が富士通に入って手掛けてきた重要な仕事の1つに「顧客フロント」、平たく言うと営業体制の改革があります。
これはCRO(最高収益責任者)の仕事の本丸で、顧客フロントのマネジメント変革(ポートフォリオとインサイト〈洞察〉の変革)、社員と役員の行動変革(ビヘイビア〈行動様式〉とインティマシー〈親密さ〉の変革)が主眼です。
またこれにより顧客への提供価値変革(ケイパビリティー〈強み〉とエコノミクス〈経済性〉の変革)も可能になります。この章ではそのために私が具体的に何をしてきたか、一連の改革で社員がどのように行動や意識を変えていったかをお話ししていきます。
富士通は2021年に営業とSE(システムエンジニア)に分かれていた顧客フロント組織を1つに統合する「製販統合」を実施しました。







