
約1800年前、約100年にわたる三国の戦いを記録した歴史書「三国志」。そこに登場する曹操、劉備、孫権らリーダー、諸葛孔明ら智謀の軍師や勇将たちの行動は、現代を生きる私たちにもさまざまなヒントをもたらしてくれます。ビジネスはもちろん、人間関係やアフターコロナを生き抜く力を、最高の人間学「三国志」から学んでみませんか?
後漢帝国を完全崩壊させた「董卓という転換点」
三国志の英雄たちが、長期間続いた後漢帝国の崩壊によって活動を始めたことはよく知られています。有名なものは184年の黄巾の乱ですが、後漢帝国の本格的な崩壊は、189年に董卓軍が少年皇帝を取り込んだ事件が大きな転換点になっています。
後漢帝国内で有力政治家だった何進が、宦官勢力を排除しようとした際に、軍事力として地方軍を呼び寄せた中に、董卓軍もありました。董卓軍はその命令に従い首都洛陽に向かいます。しかし何進は宦官に計画がばれて暗殺され、その混乱の中で一部の宦官が少年皇帝を連れて洛陽から逃亡します。
逃亡していた宦官たちと少年皇帝に出会ったのが、首都に向かう董卓軍でした。董卓軍は宦官勢力を皆殺しにして、少年皇帝は董卓に伴われて首都に戻ることができた。一方で軍事力によって少年皇帝の窮地を救った董卓は、皇帝の庇護者になることでいきなり権力の中枢に躍り出ることになりました。