袁紹

 約1800年前、約100年にわたる三国の戦いを記録した歴史書「三国志」。そこに登場する曹操、劉備、孫権らリーダー、諸葛孔明ら智謀の軍師や勇将たちの行動は、現代を生きる私たちにもさまざまなヒントをもたらしてくれます。ビジネスはもちろん、人間関係やアフターコロナを生き抜く力を、最高の人間学「三国志」から学んでみませんか?

最大勢力だった名門袁氏が、空中分解した最大の理由とは…

 三国志を読んだ人が必ず知っている、諸侯の最大勢力だった袁紹。袁紹の一族は名門であり、四代にわたって三公(政府の高官)を輩出しています。袁紹の大勢力は、200年に官渡の戦いで曹操軍に敗れ、袁紹は敗戦のショックにより2年後に病死しています。

 袁紹には異母弟の袁術(一説には従弟)がおり、この袁術も名門の御曹司として後漢治世の時代に都でもてはやされた人物でした。しかし、袁紹と袁術はことあるごとに仲たがいし、敵対勢力として争うことで、袁氏を滅亡へ導いてしまいます。

 この記事では、名門袁氏の内紛による愚かな滅亡と、挙兵した曹操を一貫して支え続けた曹氏、夏侯氏の団結の違いを対比することで、一族がまとまることがいかにメリットを生むかを見ていくことにしてみます。