インターメスティック代表取締役社長の上野博史氏(撮影:宮崎訓幸)

 メガネショップ「Zoff」を展開するインターメスティックが2024年10月、東証プライム市場に株式上場を果たした。同社が創業以来掲げてきた目標は、「もっと自由に・楽しく・気軽にメガネをTシャツの様に毎日着替える社会をつくること」だが、上場を機に今後はどんな重点施策で成長を目指していくのか。創業家出身の上野博史社長に話を聞いた。

“サングラス後進国”の日本でラインアップを増やす理由

──創業は2001年ですが、以来メガネ市場はどのように変わってきましたか。

上野博史氏(以下敬称略) お客さまのメガネの購入動機は基本的には変わっておらず、直接的な「ニーズ」にあります。メガネを紛失した、壊してしまった、度が合わなくなってぼやけてきたといった理由が主たる購入理由です。

 当社の商品は、価格帯がお求めやすくリーズナブルですので、高価格帯の同業他社と比較して買い替えサイクルが短いという特徴はありますが、メガネをファッションと捉えて「ウォンツ」の領域にしていくためには、まだまだ努力が必要です。

 今回の株式上場を機に、ウォンツの追求と同時に、従来よりも一層、社会課題の解決を担うブランドになっていきたいと考えています。

──メガネ販売のビジネスから向き合う社会課題の解決とは。

上野 例えばサングラスの普及があります。近年は夏の猛暑期間が年々長くなっており、四季から“二季”への移行が現実のものとなってきました。そのような気候変動の状況下で当社ができることは、サングラスの機能を通して、夏の強烈な日差しや紫外線から受ける目への悪影響を軽減していただくことにあります。

 ただ、日本は“サングラス後進国”と言ってもよく、海外に比べてアイウェア市場の中に占めるサングラスの割合が5分の1から4分の1ほどしかありません。日本ではまだまだサングラスに対する意識も低いですし、かつてはサングラスをかけていると何となく不良のような見られ方をしてきたことも、サングラスが広く普及しない遠因かもしれません。そこを変えていきたいですね。

──日本のサングラス市場は現在、どのくらいの規模ですか。