親から勘当? 為尊親王との恋

 為尊親王は、冷泉天皇の第三皇子である。

 貞元2年(977)に生まれた。和泉式部とほぼ同年齢と思われる。

 母は、段田安則が演じた藤原兼家の娘・藤原超子。

 つまり為尊親王は道長の甥にあたる。

 幼時に母を亡くし、兼家の庇護のもとで成長していった。

 同母の兄弟に居貞親王(後の木村達成が演じる三条天皇)、後述する敦道親王がいる。

 為尊親王と和泉式部の身分違いの恋はスキャンダルとなり、和泉式部は父・大江雅致から勘当されたという(繁田信一『『源氏物語』のリアル 紫式部を取り巻く貴族たちの実像』)。

 だが、二人の恋は、長保4年(1002)6月、為尊親王が26歳でこの世を去ったことにより、幕を下ろした。

 歴史物語『栄花物語』巻第七「とりべ野」には、為尊親王は疫病が流行するなか、新中納言(どの女房を指すのか不明)や和泉式部のもとに通ったため、病に罹り、亡くなったことが記されている。

 翌長保5年(1003)4月、和泉式部は新たな男性に出会い、言い寄られた。その男性とは、為尊親王の同母弟・敦道親王である。