【藤原実資ゆかりの地】

●清水寺

 王朝貴族が清水寺で真剣な願掛けをする際、観音菩薩の縁日である18日に参詣、参籠するのが常識であったという(繁田信一『かぐや姫の結婚―日記が語る平安姫君の縁談事情』)。

 藤原実資も、1月18日は宮廷の行事があったようだが、1月を除く各月18日に、清水寺へ参詣するように努めていたと思われる。

 しかし、病などの理由で、参詣できなかった月も少なくなかったという(細川光成「藤原実資の私生活についてのいくつかのまとめ――「小右記一」を読んで――」 奈良・平安文化史研究会『古代文化史論攷 第16号』所収)。