米アマゾン・ドット・コムが欧州でディストリビューター(再販業者・卸売業者)との関係を断ち切ると米CNBCが2月15日に報じた。アマゾンの直販商品について、今後はディストリビューターから仕入れるのではなく、メーカーから直接調達する方式に変更する。コスト削減の一環だという。
アマゾン「定期的に調達手段を見直している」
ディストリビューターとは、メーカーから商品を仕入れ、アマゾンに販売する中間業者。アマゾンのECマーケットプレイスに出店し、商品を消費者に販売するサードパーティー事業者とは異なる。
アマゾンは今後、ディストリビューターを介さず、自社でコスト管理することで、消費者により低価格で販売するという。
CNBCによれば、アマゾンの欧州部門は2023年2月15日、域内のディストリビューターに対し今後数カ月内で調達を停止すると伝えた。ディストリビューターがサードパーティー事業者になれば、マーケットプレイスで販売できると説明している。
アマゾンの広報担当者は声明で、「すべての企業に共通するように、我々も定期的に調達手段を見直している。コスト管理し、顧客のために価格を低く抑える。これを念頭に、欧州向けの一部の商品はメーカーから直接調達することにした」と述べた。
再販業者や卸売業者に準備期間を与えるために、23年4月までは変更の実施を延期するとも述べたという。
大規模なコスト削減策
アマゾンでは、アンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)指揮の下、コスト削減に向けた事業見直しを進めている。同氏は23年1月4日、計画見直しに伴う人員削減規模が1万8000人超になると明らかにした。これは過去1年間に明らかになった米テクノロジー大手の整理解雇(リストラ)として最大規模である。