(写真:AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムがオフィス職を対象にする大規模な人員削減に着手したと米ウォール・ストリート・ジャーナルなどの米メディアが11月16日に報じた。

「コスト削減策の一環」、広報が認める

 広報担当者が人員整理を進めていることを認めた。コスト削減策の一環だという。アマゾンのデバイズ部門の幹部は同日、公式ブログで従業員宛てのメッセージを公開。すでに対象者に通知したことを明らかにした。

 関係者によるとアマゾンは小売りやデバイス、人事部門で人員を削減する。全体で1万人規模のリストラになるとみられている。影響はオフィス職従業員全体の3%に及び、倉庫など物流施設で働く数十万人は対象外だという。

 アマゾンの広報担当者は「現在のマクロ経済環境や過去数年間の急速な雇用拡大を考慮し、一部のチームが調整を進めている」と説明。「軽々しく決定したものではなく、影響を受ける従業員をサポートするために取り組んでいる」と述べた。

アマゾン幹部「一部の役割が不要になる」

 アマゾンでは、アンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)の下、コスト削減に向けた事業見直しを進めている。不採算事業に焦点を当てており、数カ月にわたる評価の一環として、人工知能(AI)による音声アシスタントサービス「Alexa(アレクサ)」部門が入念に精査されてきた。

 Alexaを含むデバイス・サービス部門のデイブ・リンプ上級副社長は従業員宛てのメッセージで、会社が一部のチームとプロジェクトの統合を決定したことを告げた。この決定の結果として「一部の役割が不要になる」と説明。「デバイス・サービス部門が才能あるアマゾン社員を失うことを伝えなければならないことは心苦しい」と伝えた。

 リンプ氏は、「影響を受ける従業員には新たな役割を見つけるために会社がサポートする」とし、「社内で役割が見つからない場合は、退職手当や過渡的給付を支給し、再就職を支援する」と述べた。