(写真:AP/アフロ)

 アマゾン・ドット・コムは10月6日、米国の物流拠点で新たに15万人の従業員を採用すると明らかにした。フルタイムやパートタイム、期間従業員などを年末商戦に向けて補充する。倉庫内でピッキングや仕分け、梱包(こんぽう)、出荷などの業務を担当する従業員だ。

 アマゾンによると、初任時の平均時給は19ドル(約2770円)以上。一部の勤務地では契約時に最大3000ドル(約43万7300円)の一時金を支払う。期間従業員は通常、年末までの勤務となるが、フルタイム従業員に登用する制度も設けるとしている。

物流業務で待遇改善

 「アマゾンは年末に向けて難しい問題に直面している」と米ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。2020年初頭に始まった新型コロナウイルスの感染拡大で電子商取引(EC)市場は活況を呈したが、22年に入ると需要が低迷した。22年はその対応に追われコスト削減を進めてきたが、年末の繁忙期が近づくと人手不足に見舞われた。アマゾンは昨年末と同じく労働市場の需給逼迫に直面しているという。

 アマゾンは先ごろ、時間給従業員の初任時の平均時給をこれまでの18ドルから19ドル超に引き上げると明らかにした。

 22年9月には、配送ドライバーの待遇改善のため、今後1年間に米国で4億5000万ドル(約660億円)を投じると明らかにした。同社が起業を支援する「デリバリー・サービス・パートナー」と呼ぶ中小配送業者のドライバーを対象に、大学の学位などを取得できる教育プログラムや年金制度を提供する。