「多能工化」本当にその範囲で十分だろうか?

 クライアントの生産現場には多くの掲示物が貼り出されているが、その中でも「作業者スキルマップ」はほとんどの職場で見受けられる。まずはスキルマップの一例をご覧いただきたい。

 このような形で作業者の技能を見える化することは、多能工化をめざす上で必須の取り組みであり、また作業者のモチベーションを高め、健全な競争意識をもたせる上で非常に有効である。

 しかし一方で、その技能の範囲について現場作業より広く対象を捉えている企業は少ない。作業者の多くは現場作業だけではなく、改善活動や電子ツール(IoT)の重要性をよく理解しており、またその活用に強い興味をもっているにもかかわらず、である。