米アマゾン・ドット・コムが出品業者や卸売業者に結ばせている契約が、商品価格を不当につり上げ、競争を阻害しているとして、米カリフォルニア州の司法長官が同社を提訴した。米ウォール・ストリート・ジャーナルや米ニューヨーク・タイムズなどの米メディアが9月14日に報じた。
加州「ペナルティー規定への同意を強要」
一審にあたるカリフォルニア州の上級裁判所に提出された訴状によると、ボンタ州司法長官は、「アマゾンは出品業者に対し、競合他社の電子商取引(EC)サイトを通じて、アマゾンのサイトよりも安く商品を提供しないよう強要している」とし、この行為をやめるよう裁判所に求めた。加えて、カリフォルニア州の経済に及ぼした損害の賠償と罰金の支払いを命じるようにも求めている。
カリフォルニア州によれば、アマゾンは、出品業者が米小売大手のウォルマートや米ディスカウントストア大手のターゲットなどのECサイトでより安価に商品を提供した際にペナルティーを科しており、これに同意するよう求めている。
このペナルティーとは、アマゾンの検索結果で下位に押しやられることや、「ショッピングカートボックス(Buy Box)」と呼ばれる、「カートに入れる」ボタンの獲得資格を剥奪されることだという。「販売停止や削除されることもある」とも主張している。
ボンタ州司法長官は声明で「アマゾンは何年もの間、価格競争を阻止してきた。その結果、カリフォルニア州の消費者は代金を多く支払ってきた」と述べた。
これに対しアマゾンは「出品者は当社サイトでの価格を自ら決定している」と反論している。
アマゾンの広報担当者は2022年9月14日付の声明で、「当社は安価な商品を提供していることに誇りを持っている。多くの小売業者と同様に、割高なものを目玉商品として扱うことはしないし、その権利を持つはずだ」とし、「司法長官の主張は、割高な商品を消費者に売り込むよう我々に要求するものであり、奇妙にも反トラスト法の主目的に反する」と述べた。