中国は以前から2020年までのイノベーション国家の建設目標を打ち出していた(写真は2019年のもの)写真:新華社/アフロ

 世界第2位の経済大国となった中国は近年、経済成長の伸び率が鈍化しているものの、デジタル化進展やイノベーションにおいて目覚ましい成果を上げている。

 多くのデジタル先端分野における中国からの特許出願件数が増え続けており、世界トップの座を占めるようになっている。同時に、デジタル技術が生かされたさまざまなサービスが相次ぎ登場し、人々の生活をより便利にしている。

 中国全体のイノベーション状況を見ると、中国は以前から2020年までのイノベーション国家の建設目標を打ち出していた。これは経済成長に対する技術進歩の寄与率を60%以上、GDPに占める研究・開発費用の割合を2.5%以上、特許の登録件数や学術論文の被引用回数を世界5位以内にするという目標だ。

 イノベーション国家の実現に向け、研究・開発費用の増加や高度人材の育成・誘致、特許登録の促進などに注力し、科学技術力の底上げを図ってきた。また、企業による研究・開発の強化とともにイノベーションの応用も積極的に推進。その結果、6月上旬に行われた「中国・十年(2012~2022年)」説明会では中国がイノベーション国家になったと宣言している。

 今後、中国はイノベーションによる発展との方針をもとに、何を求め、次なるイノベーションを引き起こそうとしているのだろうか。