体験しろ、でなければ帰れ。

 ハニカム構造の展示エリアには企業コラボものがぎっしりと詰め込まれている。その奥は地方に関わるイベントをまとめた展示だ。このあたりは「コト」に付随した「モノ」が並んでいる。体験のオマケとしてのモノだが、既にサービスが終了したものが多く、残り香を感じる展示になっている。モノを得た当時の感情は決して揺るがない。エヴァ缶を求めてコンビニやスーパーを駆け巡った記憶、コラボメニューを制覇し増えた体重。それらが全部リアルとして我が身に刻まれている。

 また、エヴァといえば鉄道だろう。シンエヴァの舞台「第三村」のモデルになった天竜二俣駅とのコラボは記憶に新しい。聖地巡礼がポピュラーなオタ活になって久しいが、聖地が積極的にコンテンツとコラボしてくれると行き甲斐があるというものだ。おかげで筆者は天竜二俣駅に2回聖地巡礼してしまった。強行スケジュールを組んで我ながら狂っているなと思ったが、そういうオタクを迎え入れる土壌を他ならぬエヴァが開拓しているのだから、もう乗っかるしかない。

 500系新幹線とのコラボはエヴァ史上最も大がかりなものだ。既に運行は終わっているが、プラレールで商品展開しているし、アニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』とのコラボも実現している。前代未聞の壮大なプロジェクトが新たな映像作品に繋がるのはファンとして嬉しいところだ。

 そのほかにも見どころはたくさんあったが、全てを挙げるとキリがないので割愛する。

エヴァ博でコラボアイスを食べてコースターをもらう。これもまた「モノ」と「コト」の体験なのだ

 会場全体で4000点を超えるグッズが展示されているとのことだが、展示しきれないものや展示に間に合わないものももちろんある。全国巡回の間に増えるだろう。そこが今なお続くコンテンツであることを象徴している。