日本の国際化は、今が最後のタイミング?

伊藤 少し話がそれますが、海外からスタートアップを呼び込むということでは、国が海外のファンドに投資するということも始めていますよね。

平井 日本にベンチャーキャピタルのマーケットをつくり、ベンチャー企業育成のノウハウを入れて、もっとインターナショナルにしていきたいということです。成功事例であるイスラエルのヨズマ・プログラムも参考にしています。やり方は変わってくるかもしれませんが。

伊藤 インターナショナルにするというのは、今が最後のタイミングかもしれません。オリンピックでかなり進んだのかもしれませんが。渋谷区にも、だいぶ海外から人が流入していますよね。何か仕掛けはあったのですか。

長谷部 初めは全くの受け身です。それでも「東京なら渋谷」「日本なら渋谷」と選んで来てくれる人がたくさんいて、しっかりこの球を打ち返さなければと思っています。多国籍のスタートアップをつくりたいというのが1つです。

伊藤 私も含めて海外から日本に来る側からすると、英語のインターフェースが圧倒的に少ないですよね。銀行も英語で操作できるのはわずかだし、領事館のページなんかでも重要な情報が英語で載っていないのです。海外から来る人は嫌な気持ちになりますよ。例えば「英語化DAO」をつくったら、英語化をやりたい人がかなり集まると思います。

長谷部 そういうのであれば、自分たちでもできますね。

伊藤 他にも渋谷に来る人たちの要望を実現するためにコミュニティーでお金を集めて、渋谷区にお願いするとか。ふるさと納税の外国人版みたいのがあってもいいですね。

長谷部 目的を持ったプロジェクトをつくるということですね。

平井 具体的ですね。ぜひ、ものにしたいですね。

伊藤 よろしくお願いします。本日はありがとうございました。

 日本の成長戦略、国際化からweb3特区、地方自治体、DAOの可能性まで、多岐にわたる議論の中で、示唆に富むアイデアが幾つも飛び出した。前向きに変わろう、変えようとする三者の姿勢こそがweb3の世界観を体現しているといえるのではないだろうか。