アマゾン ロゴイメージ(写真:當舎慎悟/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムは、英国で予定していた米ビザのクレジットカードの利用停止を撤回した。米ウォール・ストリート・ジャーナル米CNBCなどが1月17日に報じた。

アマゾン「交渉中もビザを利用できる」

 アマゾンは、決済手数料が高額だと反発し、英国で発行されたビザカードの取扱いを2022年1月19日で終了すると通知していたが、同17日付の声明で「交渉を続ける間、顧客は19日を過ぎてもビザカードを利用できる」と説明した。

 アマゾンは21年11月、「高いクレジットカード手数料は、商品価格の上昇につながる。クレジットカード決済のコストは技術の進歩に伴い下がるべきだが、ビザの手数料は高止まりするのみならず、上がってさえいる」と批判した。

 同社は以前にも、ビザの手数料が高額だと批判。シンガポールとオーストラリアではビザ利用者に対して0.5%の割増し料金を請求している。

 これに対しビザは「アマゾンが消費者の選択に制約を設けると脅していることにとても失望している」としながらも、「英国の顧客が引き続きビザを使えるように状況改善に努力する」とも述べ、交渉を続ける姿勢を示していた。

英国のEU離脱がきっかけか?

 ロイター通信やCNBCによると、英国が欧州連合(EU)から離脱したことに伴い、これまで導入されていたEUのカード決済手数料上限が英国で撤廃された。これに伴いビザが手数料を引き上げたことが背景にあるとみられている。

 だが、アマゾンとビザは英国のEU離脱とは関係ないと否定している。CNBCは「アマゾンがなぜ英国での計画を撤回したのか、それが一時的なものなか、最終決定なのかは今のところ分からない」と報じている。