グーグルは21年9月、米ニューヨーク市のオフィスビルを21億ドル(約2400億円)で購入するとも発表。この金額は新型コロナのパンデミックが始まって以降、米国内のビル1棟の取引として最高額。米国の歴史の中で最も高額なオフィスビル売買取引の1つだと言われている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、コロナ禍でオフィス空室率が上昇し賃料が下落する中、グーグルなどのテック大手は豊富な手元資金を背景に不動産物件への投資を拡大している。
例えば、米アマゾン・ドット・コムは20年に、米連邦破産法11条の適用を申請して経営破綻した老舗百貨店ロード・アンド・テイラーのマンハッタンのビルを9億7800万ドル(約1120億円)で取得した。総面積約5万8500平方メートルのオフィスに転換する。米メタ(旧フェイスブック)は20年にワシントン州ベルビュー市で、米アウトドア用品大手REI(レクリエーショナル・イクイップメント)の本社ビルを3億9000万ドル(約450億円)で購入した。
段階的再開目指すも「オミ株」で計画変更
米テック大手は新型コロナの感染状況を見ながら段階的なオフィス再開を目指している。だが変異型「オミクロン株」の急激な広がりで、計画変更を余儀なくされている状況だ。
米アップルは21年12月にオフィス部門の出社再開を無期限で延期した。同社は、当初週に1~2日、その後週3日を出社日とするハイブリッド型を早ければ22年1月にも導入したい考えだった。
メタも米国オフォスの全面再開を22年1月末に予定していたが、先ごろ出社時期を最大で22年6月まで遅らせることができる制度を設けると明らかにした。グーグルは、22年1月10日から出社と在宅を組み合わせた勤務形態を導入するとしていたが、21年12月に計画を延期すると発表している。
アマゾンは22年1月から実施する予定だった再開計画を変更。オフィス勤務社員の出社日数を固定せず、出社の判断は各部署の管理者に任せるとする新方針を打ち出した。
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