2021年の世界経済を、デジタル化との関係という視点から元日銀局長の山岡浩巳氏が振り返る。連載「ポストコロナのIT・未来予想図」の第66回。

 2021年は新型コロナウイルスが引き続き猛威を振るった年でした。この中にあって、デジタル化の側面から、世界経済における特徴的な動きを振り返りたいと思います。

新型コロナウイルス新規感染者数<7日間移動平均>、単位:千人
資料:ジョンズホプキンス大学

 とはいえ、デジタル化の経済への影響は多岐にわたります。とりわけ、リモート会議やフレックスタイム制など労働慣行や勤務体制の変化、紙を前提とする実務の見直しなど、ミクロの影響は数多く指摘することができます。しかし、これらを網羅的に取り上げることは困難ですし、他でも数多くの解説がありますので、本稿ではマクロの視点から振り返ってみたいと思います。